A POSTER COLUMN
Hannover Industrial Fair
02年4月15日から20日にかけて、ドイツのHannoverで開催された産業展(industrial fair)では、多くのFCや水素関連技術、製品、モデルが展示された。初めて水素関連技術がハノーバー産業展にお目見えしたのは8年前であるが、当時と比較すると出展数で10倍の規模になっている。それらの中で最も注目された展示の1つは、フランスのPSA Peugeot CitroenによるFCタクシーのデモであった。このFCVはH Powerの正味(net)出力5.5kW(200V)のPEFCを動力源とし、燃料は300気圧の圧縮水素ガスである。1.5kgの高圧水素は、カーボン繊維コンポジット、エポキシ樹脂、およびアルミニウムを構成材料とする9つのタンク(80L)に貯蔵されされている。タンクはAirbusメーカEADSの子会社Composites Aquitaine製である。タンクはトランクの下部に設置されえた棚(rack)の上に置かれており、水素を充填し易いよう車の後方へタンクをスライドして突き出せるような仕組みになっている。車輪を駆動するモータの出力は36kW、95km/hのスピードと8.4秒間で50km/hまで加速できる能力を持つ。
H PowerのCEOであるH. Frank Gibbard氏が語ったところによれば、フランスのカーメーカがアメリカの会社に接近して、H Power製のスタック数ユニットを買って持ち帰ったのは数年前のことであり、最終的に両社(PeugeotとH Powerと思われる)は、2ないし3年以内に自動車用の更に強力なPEFCの開発を目的として、2,200万ドルの開発計画にサインしたとのことである。Gibbard氏は「2004年に我々が商品化を目指して更に開発を進めるかどうか評価する積りで、もし前進することになれば、2006年にFCV第1号を市場にだすことになろう」と語っている。
(Hydrogen & Fuel Cell Letter, May 2002, Vol.XVII/No.5, pp1-2)
―― This edition is made up as of May 30, 2002. ――