第7号 EV13会議に於いてFC自動車が登場する
Arranged by T. HOMMA
1.1 第13回国際電気自動車シンポジューム(EV13)
1.2. トヨタ社の開発成果と実用化のための目標
1.3. SIEMENS社の開発成果と実用化のための目標
1.4. SOFC−EV車に関するシミュレーション
2. FC自動車に関するその他の情報
3. DMFC
4. PAFC
5. MCFC
6. SOFC
7. その他
・A POSTER COLUMN
1.1 第13回国際電気自動車シンポジューム(EV13)
・日本電動車両協会と日本貿易振興会主催によるEV13(The 13th International Electric Vehicle Symposium)が、1996年10月13日から16日まで、大阪ATC(アジア太平洋トレードセンター)に於いて開催され、約1,600人が参加した。2年前の12回同会議の出席者は1,100人、その前の11回が700人であったことを思うと、電気自動車に対する関心の急速な高まりが感じられる。又この様な急激な人数の大幅増加は、従来の会議に比べて営業担当者の参加が増えたのが一因で、この事実は電気自動車がいよいよ商業ベースになってきたことを示唆している。次回からは1年毎の開催となり、第14回会議は来年(1997年)12月15日から17日までアメリカ・デズニーワールドで、更に第15回は1998年10月1日から3日までベルギーのブラッセルで開催の予定である。

・上記シンポジュームの展示会には、トヨタ社の燃料電池・蓄電池ハイブリッド車(RAV4,5-doorベース)が唯一のFC駆動の電気自動車として出展され、アイシン精機社からはEV車用部品の一つとして自動車用FCが展示されていた。又10月13日の御堂筋パレードには上記トヨタ社のFC自動車が参加した。

・シンポジュームのセッション4Dでは以下の4つの論文が発表された。
 4D.01:“EV用燃料電池”;トヨタ自動車  4D.02:“自動車用高分子電解質燃料電池(PEFC);トヨタ自動車
 4D.03:“PEM燃料電池:その技術とEVへの適用;Siemens社
 4D.04:“固体電解質燃料電池(SOFC)搭載EVのエネルギー評価;東大
トヨタ社の発表は多くの人々の注目を集め、110席しかない部屋に150人以上が入室し、質疑応答も活発に行われた。  
1.2. トヨタ社の開発成果と実用化のための目標
・トヨタ社のFC自動車の特徴は以下のように要約される。
1)燃料の水素(酸化剤は空気)は、高圧ガスの取締規制を避けるため、重量が約100kgのチタン系水素吸蔵合金に貯蔵されており、同合金から水素を放出するのに要する熱量はFCの冷却水によって供給される。
2)PEFCは同社による製品(定格出力20kW、重量120kg)で、CO被毒(メタノール改質を想定)を避けるため、アノード側にはPt−Ruが、カソード側にはPtが触媒として用いられている。但しイオン交換膜はDu Pont製Nafion 115である。
3)蓄電池である鉛電池の重量は110kgで、 FCおよび蓄電池はダイオードを介して並列に接合されている。回生制動による電力回収および定速巡航運転時(時速40km/h以下では駆動動力は10kW以下になる)に於けるFCからの充電を含めて、蓄電池は常に充電状態に保たれている。蓄電池が過重電になった時点でFCの発電は停止する。(論文ではFCの出力は10kWと記されている)
4)自動車の駆動以外で最も電力消費量が大きいのは空気圧縮機である。
5)エネルギー効率はガソリン車の約3倍、燃費はガソリン換算で2.5倍にまで向上した。
6)将来の目標はメタノール改質FC自動車に置かれている。
(EVS-13, Oct.13-16, 1996 Osaka, Japan, Symp.Proc. Vol.1, pp671-674)

・トヨタ自動車ではPt-Ru, Pt-Ir, Pt-Rh, Pt-V, Pt-Cr, Pt-Co, Pt-Niの7種類の白金ベース合金触媒について、それらのCO被毒効果を実験的に検証してきたが、Pt-Ru合金を適用することによって、H2に対するCO濃度が100ppmに達しても、純水素に比べてほとんど性能劣化が生じないことを発見した。(同上資料、pp675-679)  
1.3. SIEMENS社の開発成果と実用化のための目標
・Siemens社は過去30年間FCの研究開発に積極的に取り組んできた。 PEFCについては、出力規模30〜40kW(重量600kg、容積475×475×1,435mm3)を開発し、1996年に実施された試験運転によって定格運転で59%、20%部分負荷運転で69%の効率を達成した。このPEFCはドイツの新しい潜水船に適用される予定である。

・FC自動車の商用化を実現するための目標として、以下のような数値を挙げている。
 動作圧力:1.5気圧(abs)以下、システム効率:50%以上、比重量:2.5kg/kW以下、比容積:2.5lit./kW以下、出力密度:350mW/cm2(セル電圧:0.75V)、スタック電圧:100V以上、運転時間:2,500時間、システム価格:200DM(約15,000円)/kW[100,000ユニット/年]

・構造が簡単な空気冷却PEFC”innovative design”を開発しつつあり、試作ユニットの性能について現在試験中とのことである。

・メタノールを改質器なしで直接反応させるDMFCについて、短時間ではあるが電流密度400mA/cm2(セル電圧0.5V)の成果が得られており、実用化に期待が持たれるものの、はっきりした見通しを得るためにはなお時間と研究開発努力が必要であろう。(同上資料 pp680-685)  
1.4. SOFC−EV車に関するシミュレーション
・SOFCはCOを燃料として利用できるので、天然ガス等炭化水素系燃料の適用に有利ではあるが、他方動作温度が高いので起動および出力制御に困難が存在する。東京大学山田研究室では、SOFCを出力一定で運転し、出力の変動分を蓄電池でカバーするSOFC−EV車の実用可能性についてシミュレーション検討を行った。本研究で対象としたSOFCは円筒型で、動作温度は1073K(目標値)、発電効率は42%(HHV)、出力密度2kW/m2の性能が想定されている。システム効率を高く保つためには熱損失を小さくすることが必要であり、熱絶縁には20mm厚の耐火煉瓦と同じく20mm厚のCaSi2O5が用いられた。出力5kWおよび10kWのSOFCの各々と鉛蓄電池を組み合わせて出力の合計が60kW(合計重量500kg)になるような2種類のモデルについて、設計仕様と走行性能が表にまとめられている。1500cc級のガソリン車を想定すると、SOFC−EV車の場合、10モード運転パターンでは天然ガス1kg当たりの走行距離は約30kmとなり、ガソリン1kg当たり17kmの内燃機関車に比べて効率が非常に高くなっていることが分かる。(同上資料 pp686-692)
2. FC自動車に関するその他の情報
・Daimler-Benz社は96年5月14日にFC自動車”NeCar II”を発表したが、”NeCarIII”は水素を燃料とする市街地運行用バスで、97年中に公表される予定である。(FUEL CELLS, UK News Letter, Issue 3, September 1996)

・1993年に世界で始めてのFC−EV車 ”Green Car” を試作したEnergy Partners社は、その後もPEFC駆動車の開発研究を続けてた結果、”Green Car” に比べて数倍の性能を持つPEFCの開発に成功した模様である。特にW.L.Goreのもたらした成果は顕著で、GorePRIMEATMと呼ばれるFCモデルに関する実験室での研究成果は、1A/cm2の電流密度においてセル電圧が0.6Vであり、この結果はPNGVが目標とする1kW/kg、および1kW/lit. の実現に期待を抱かしている。(Energy Partners, Inc.” Development of PEM Fuel Cells and Vehicular Fuel Cell Systems”, Commercializing Fuel Cell Vehicles, Sept.17-19, 1996)

・1996年から始まったBallard社によるFC駆動バス開発計画フェーズ3では、出力275HP(200kW)PEFCを備えた60人乗りバス(走行距離は400km)の実証試験運転が、アメリカシカゴ市やカナダBritish Columbia州の交通当局によって行われた。同社は1998年から始まる次期フェーズを商業生産段階と位置ずけており、実用FCバスの仕様は、 FC出力が275HP(200kW)、75人乗りで走行距離は560km、回生制動付と発表されている。(同上資料)

・Southwest Research Instituteは、ガス流路や電極構造上有利な多層同心円筒型PEFCの設計概念を発表した。円筒の中心部は水素ガスの通路になっており、内部から外側に向かって内部電極(アノード)、触媒層、イオン交換膜、外部電極(カソード)、空気流路を形成している。熱流に関するシミュレーション結果に基ずいて、水分が蒸発して膜が乾燥することのないよう、最高温度は100℃以下になるよう設計されている。目下のところ基礎実験とシミュレーションの段階を出ていないようである(同上資料)

・山梨大学工学部の渡辺政広教授のグループは、PEFCの高分子膜中に白金や酸化チタンの微粒子を分布させることによって、発電運転中水分が自動的に膜内に供給される方式を開発し、この度その成果を公表した。この方式を適用することによって、加湿システムがほとんど不要になり、PEFCを大幅に小型化することができる。同研究室では数年前からこの研究を続けており、国際会議等にも研究成果が発表されていたが、最近FC−EV車の実用化に対する関心の高まりに合わせて、広く世間に公開することになった模様である。(日経産業新聞96年11月4日)  
3. DMFC
・数年前までDMFCはPEFCに比べて出力密度が低く、自動車用動力源としての適用性には懐疑的であった。しかし近年におけるDMFCに関する著しい研究成果は、改質ガス/空気を前提とするRAFC(reformate air fuel cell)に比べて、DMFCがシステムとしての性能に於いては見劣りしないレベルにまで到達しつつある。Los Alamos National Laboratoryが開発したDMFCは、Nafion膜と電極の一体化構造(MEA : membrane electorode assemblies)で、アノード側触媒にはPt-RuOx(Pt:Ru=1:1)又はPtRu/Cが、カソード側触媒にはPt-black又はPt/Cが採用されている。Nafion 112 MEAを用いた試作FCによる実験結果は、動作温度110℃、空気圧3atmにおいて、370mA/cm2の電流密度、セル電圧0.5Vを観測した。又出力密度のピーク値は、純酸素使用、動作温度130℃では400mW/cm2が、空気使用で110℃に於いては250mW/cm2の性能が得られている。(Polymer Electrolyte Direct Methanol Fuel Cells:An Option for Transportation Applications, by Los Alamos National Lab. Commercializing Fuel Cell Vehicles, Sep.17-19, 1996)

・上記ロスアラモス研究所では、自動車の動力源としての適用性について評価するため、RAFCとDMFCのシステムに於ける出力密度と価格について比較した。自動車の動力源としての要求仕様に対して、DMFCは改質器を要しない分だけ、出力密度や価格に対する仕様はかなり緩和されることになる。例えば出力50kW、全重量400kg、エネルギー密度300kWh(システムエネルギー密度750Wh/kg)、総合効率40%の仕様を満足するようなFCシステムを仮定した場合、スタック出力密度は、RAFCでは1kW/kgでなければならないが、DMFCでは0.25kW/kgで済むことになる。スタック材料価格については、現状に於いてRAFCが$1,500/kWであるのに対してDMFCが$2,500/kWであり、将来目標はRAFCが$45/kW、DMFCが$200/kWと記されている。(同上文献) 
4. PAFC
・資源エネルギー庁は、FCの普及を促進するため、ホテル、病院、事務所等に設置するコジェネレーション用FCのフィールドテストに対して補助金(補助率1/2)を交付することになり、来年度予算として5億円要求した。(日刊電気通信96年10月23日)

・中部電力長野支店は、長野県白馬村の紳城変電所構内に液化石油ガス(LPG)を燃料とする出力50kWのPAFCを設置し運転を開始した。寒冷地での運転性能を確認するための実証運転試験で、投じた費用は1億4000万円、発電単価は110円/kWhの計算になる。FCの大きさは、3.5m×1.8m×2.4mで、排熱は道路の融雪や給湯等に利用される。(信濃毎日新聞96年11月6日)

・東芝燃料電池事業推進部の発表によれば、同社とONSI社が共同で開発・製作したオンサイト用出力200kWPC25TMA型PAFCの台数は56台に達しており、更に同社が独自に開発した製品を含めて、PC25TMA(一部改良のB型を含む)をベースとした200kWPAFCは、現在全世界に81台出荷(内日本国内は31台)されているとのことである。これらの運転実績も着実に伸びており、96年7月末に累積運転時間で3万時間を超えたものが3台、2万時間を超えたものは26台、プラントの平均稼働率は95%、又連続最長運転時間については、4台が8,000時間を超えるに至っている。(電気新聞96年11月7日)

・商用機種として製作されたPC25TMC型200kWPAFCプラントの出荷は、95年11月から開始されたが、現在ONSI社により全世界に22台(内日本国内は8台)が出荷されている。ONSI社構内に設置されたプロトタイプ機の実証運転時間は既に9500時間を超えており、又日本国内におけるPC25TMC初号機の運転時間は、96年7月末現在2200時間を記録した。(同上)

・コスト低下をもたらすためには量産効果が必要であり、そのためにPC25TMC型機の製作はONSI社において集中的に進められる予定である。96年における200kW標準機(温水供給型)の車上渡し条件での販売価格は約40万円/kWに設定されているが、年間100台以上の販売が確保されれば価格は急速に低減すると思われる。(同上)

・東芝燃料電池事業推進部では、同社に於けるFCの経時特性や信頼性の向上ならびにコスト低減に対する取り組みについて詳しく報じている。その中で経時特性に関する評価では、電池電圧が運転時間と共に徐々に低下していく原因が、触媒層中へのリン酸浸透に伴う反応ガス経路の閉そくによると判断し、その対策として触媒層の製造プロセスの改善を試みている。又コスト低減対策としては、量産性に優れた製造技術の採用と共に、電池本体のリプレース周期を延ばすことによるランニングコストの引き下げを目的として、電池本体の耐久性を6万時間に延長するための研究に取り組んでいる。(電気新聞96年11月14日)

・関西電力は96年11月12日、単身者寮「三国ハイツ」に設置した富士電機製出力50kWPAFCの竣工式をに行い、本格運転を開始した。燃料は都市ガスで、発電効率は35%以上を予定しており、同社管内では始めて6,600V配電系に連携する。三国ハイツで消費される電力はFC出力の約60%で、それ以外の余剰電力は配電線に逆潮流される。又排熱は約50℃の温水として回収し、寮内の給湯用に利用されるとのことである。(電気新聞96年11月14日)
5. MCFC
・電気系統の故障で運転を中断していたアメリカ・サンタクララのMCFC実証プラントは、96年9月13日に運転を再開した模様で、現在定格出力2MWで運転中と思われる。(日刊電気通信96年10月17日)

・アメリカERC社は、2000年における市場参入を目的として開発中の内部改質型MCFC2.8MWプラントに関して、その心臓部である出力400kWスタック試験装置の製作を行っている。この商用MCFCはコンバインドサイクルによって発電効率は58%(LHV)、又コストは年間100ないし200台の生産で1,200ドル/kWを達成することを目標としている。(同上)

・アメリカMCパワー社は、最大出力250kWの外部改質型MCFC実証プラントを建設中であるが、既に改質器等周辺装置の据付けが完了、年内にも発電運転が開始されるものと予想される。同社では1MWプラントの商用化を目指しており、その商業プラントの発電効率は60%(LHV)、コストは1,400ドル/kWが目標として掲げられている。(同上)

・上記の報道にも係わらず、ERC社のホームページは、サンタクララの2MWプラントを構成する16スタックの内半分の8スタックを切り離し、残りの8スタックで発電運転を継続することになったと報じている。一部のスタックの出力が低下したため、スタック数を増加して出力を維持するか、出力低下を来したスタックをバイパスするかの選択に迫られたが結局後者を選択した。その理由は支障を持つスタックが正常な性能を持つスタックに2次的故障を引き起こす可能性があると判断したためで、したがって同プラントは当面発電端出力1MW(AC)レベルでの運転状態になる模様である。(SCDP 10/9/96 Update, http://www.ercc.com/prs/scdp2.htm1)

・上記ホームページに於けるアメリカDOEの発表によれば、サンタクララプラントにおけるMCFCスタックの製作に対してDOEは2,800万ドルの資金を提供し、周辺システムを含むプラントの製作に対してサンタクララ市当局、ユーザ、その他民間機関の受け持った資金は2,300万ドルであった。(http://www.doe.gov/htm1/)

・ERC社、the Santa Clara utility以外の上記プロジェクト参加機関は以下の通りである。the Electric Power Research Institute, Los Angeles Department of Water and Power, National Rural Electric Cooperative Association, Sacramento Municipal Utility District, Southern California Edison Co., the City of Vernon, Calif., the Santa Clara Demonstration Consortium.(同上)

・NEDO委託でMCFC研究組合の分担研究として三菱電機が実施している加圧内部改質型10kWスタックの開発研究において、世界最高値である出力密度2.2kW/m2を記録した。例えば一つのデータを示すと、動作条件5気圧で、電流密度300mA/cm2におけるセル電圧は745mVであった。(南大塚だより、No.173, 1996, 11, 1)  
6. SOFC
・横浜国立大学田川博章教授のグループは、電極材料に適量のストロンチウムを添加すれば結晶格子の伸縮が生じ難くなる現象を利用して、FCの製造および運転過程に於ける電極材料の劣化防止法を発見した。このストロンチウムの添加量は、SOFCのカソード(空気極)の場合、ランタンの25%程度が適量と報告されている。又ストロンチウムは電極の抵抗を大幅に下げる効果を持つので、発電効率の向上にも寄与すると思われる。(日経産業新聞96年10月17日)

・九州電力は1989年にSOFCの開発研究を開始し、91年からはTOTOと共同で湿式製造法による円筒型セルの開発を行っている。92年2月にはこの種のセルで始めて1mmWの発電に成功し、96年6月には外径22mm、有効長900mm、電極の有効面積450cm2のセルによって125Wの発電出力を得ている。又スタックの開発については、同年4月に外径16mm、有効長700mmのセル3本を並列一体型としてそれを9個組み合わせたスタックモジュール(セル数27)によって1kWの発電出力を達成した。(日刊工業新聞96年10月16日)

・イギリスのImperial College of Science, Technology, and MedicineのProf. B. Steele等は、CGO(Ce0.9Gd0.1O1.95)の厚膜をアノード上に堆積させた電解質を用いて、500ないし700℃の低温で動作するSOFCを開発した。このような低温の場合、バイポーラプレートにステンレスが適用可能であり、又インターコネクター等構造材料に対する制約が小さくなるので、コストを大きく低減することができる。湿りのある水素を燃料とした発電実験の結果では、550℃で0.8Vの開放電圧が、又650℃では100mW/cm2の出力密度が観測された。本SOFCは電気自動車用駆動源としての利用も視野に入れており、 メタノールを燃料に使った実験も行われたが、水素の場合に比べて出力性能は半分に過ぎなかったようである。なお本研究はEPSRC(Engineering and Physical Sciences Research Council)の資金を受けて実施された。(Fuel Cells UK Newsletter, Issue 3, Sept. 1996, Intermediate Temperature SOFCS)
7. その他
・ハイテクベンチャー企業と資金提供者の出会いの場を提供することを目的として、大阪商工会議所主催「アジア太平洋ベンチャー96」(APV96)が、10月24日に大阪で開催された。選定された国内外の29社が事業計画を発表し、同時に多くの商談も成立したようであるが、イギリスのハイドロカット社が発表した簡単に水から水素と酸素を分解するための触媒に関する開発成果は多くの参加者の注目を集めた。 H. カビー社長は、「自動車燃料やFC等幅広い用途が可能で、ライセンス供与を中心に世界中にパートナーを求めたい」と語った。(日刊工業新聞96年10月25日)  

 ―― This edition is made up as of November 14, 1996――


A POSTER COLUMN
日本工業新聞社の英文雑誌 ”JAPAN 21ST 11-1996” が燃料電池特集
 論文は11編で、工業技術院、NEDO、PAFC研究組合、MCFC研究組合、FCDIC、中央電力協議会、ガス協会、日立製作所、IHI、三菱電機、富士電機の各機関のFC部門代表者により23頁(p36−58)に亘って執筆されている。 英語に翻訳されているので、外国訪問や外国人の訪問を受けた時、わが国の事情を紹介するのに便利である。 

Intertech’s Technology Assessment & Business Development Forum
 September 17-19, 1996, Hyatt Regency O’Hare, Chicago
  “Commercializing Fuel Cell Vehicles”
の講演集をFCDICが入手しています。希望者はどうぞ。 

“NEWS ENGLISH from ABC, NHK:BS-1 Nov. 1, 1996
 “農業生産時代には人は生きるために智恵を必要とした。工業生産時代になると、少なくとも個人については、その必要は無くなった。しかし、今や振り子は逆に振れようとしている。情報化時代には再び生きるための智恵が要求されている。今やアメリカではコンピューターを使えないと、学生は奨学金のスポンサーさえもも見つけることができない。” 

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A QUESTIONNAIRE AND COMMENT COLUMN

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