第188号 東京モーターショーに新型FCVモデル
Arranged by T. HOMMA
1.国家的施策
2.地方自治体による施策
3.FC要素技術の開発
4.民生用FCの開発と事業展開
5.SOFC技術開発と事業展開
6.エネファーム事業展開
7.FCV&EV最前線
8.水素ステーション関連事業
9.水素生成精製技術の開発
10.FCおよび水素関連計測観測技術の開発
1.国家的施策
(1)政府
 政府は12月5日、エコカー減税の内容を見直したうえ、来年度以降も延長する案を明らかにした。環境面や安全など日本の自動車メーカーが高い競争力を持つ分野の強みを伸ばすため、税制面での支援対象を見直す。対象車種の燃費性能を現在の2010年度基準からより厳しい15年基準に変更。乗用車はガソリン1L当たり平均13kmから同16.8kmに上がる。エコカー減税は基準を満たす自動車について、新規購入や車検時にかかる自動車重量税や同取得税を減免する制度で、EV、FCV、PHV等は購入時の重量税と取得税が100%減免となるが、これは12年4月末で期限切れとなる。(日本経済新聞11年12月6日)

(2)経産省
 経済産業省が実施していたイノベーション拠点立地支援事業(企業等の実証・評価設備等の整備事業)の2次公募分として、中部経済産業局管内では2件が採択された。採択案件は、日本特殊陶業が提案した"新技術によるFCの量産化に向けた評価・試作設備等の整備"とフジデノロと名古屋大学が共同提案した"超高感度磁気センサの高精度製造法の実証・評価"。全国では113件の応募から25件が採択された。この支援事業は、これまでに開発された革新的な技術の実証・評価などを行うための設備整備に必要な経費の一部を補助するもので、新技術を用いた新製品の量産化への橋渡しを行う。(日刊建設工業新聞11年12月14日、日刊建設産業新聞12月15日)

(3)NEDO
 NEDOは2012年1月から15年にかけて、フランス・リヨン再開発地区でスマートコミュニテイーを実証する。リヨン・コンフルエンス再開発地区のP-plotビルをエネルギーの効率化と再生可能エネルギーを利用するモデル建築"ポジテイブ・エナジー・ビルディング"として開発する他、BEMS、HEMS、PVシステム、FC、コ―ジェネレーションシステムなどを組み込む。モデルビルは、フランスのブイグ社と隈研吾建築都市設計事務所のグループが設計と建設に当たる。実証事業では、ポジテイブ・エナジー・ビルの開発以外にも、コンフルエンス地区の企業を対象に太陽光発電システムを主なエネルギー源とするEV30台によるカーシェアリング、100〜200世帯、住民7000人、就業者7000人のエネルギー管理を支援するエネルギーボックスの導入、コミュニテイーマネジメントシステム(CMS)を立ち上げる。全体の想定予算総額は5000万ユーロ(約50億円)。フランスを始め、EUの各国が2020年以降に建築するビルは全て"エネルギーポジティブ"にするとみられ、実証成果を欧州全体に展開する。(建設通信新聞11年12月16日)

(4)経産省と文科省
 経済産業省が日本経済の新たなけん引役となる産業技術の確立に向け、研究開発の長期的な支援に乗り出す方針であることが12月16日に分かった。先端技術の開発を国家プロジェクトとして位置付け、10年間で2000億円規模の支援を検討する。国が重点分野を決定、初期段階の研究から資金援助する仕組みを整え、国際標準の規格になり得る技術を育成する。経産省は文部科学省と、予算配分の一部について一本化する調整に入っており、文科省分も含めると支援規模は更に膨らむ。重点分野は世界一の省エネ社会を実現する技術を想定、具体的には、ガソリン車並みの距離が走行できるEVの蓄電池以外に、レアアースを使わない自動車や家電用モータの開発が候補になる。11年度科学技術関連予算は総額3兆6485億円。この内67%の約2兆4000億円が学術研究向けとして文科省に、残りは経産省を中心に各省庁が業種に応じ分け合う構図となっている。(中国、静岡新聞11年12月17日)

2.地方自治体による施策
(1)埼玉県
 埼玉県は11月26日から、さいたま市浦和区の県庁本庁舎敷地内に水素ステーションを設置するための工事を始める。完成後はホンダのFCXクラリティーを県公用車として活用し、実用化に向けた走行実験を2013年度まで行う。10kW以上の大容量発電機能を持つ次世代車で、一般家庭への電気の供給が可能な電源車としても利用できると云う。(埼玉新聞11年11月25日、日刊建設産業新聞11月30日)

(2)岐阜県
 岐阜県は、太陽電池やFCなどのコージェネレーション、蓄電池を基本に構成するシステムを対象とした導入モデル事業6件を決定した。インフラ導入費の一部を補助するもので、採択された事業者は本年度中に整備を終え、12年度から5年間を目途にエネルギー需給状況のデータを県に提出する。(日刊建設工業新聞11年12月6日)

3.FC要素技術の開発
 帝人と東京工業大学は11月29日、黒鉛結晶が層状に単一配向した楕円形状の断面を持つ新規カーボンナノファイバー(CNF)を開発したと発表した。繊維長が従来のCNFの10倍以上で、電気抵抗が30〜40%低いのが特徴。既存の溶融紡糸法設備で製造できることから、製造コストの低減が見込まれる。同社では今後2次電池やキャパシターなどの電極材料、FCガス拡散層などを対象に市場展開を進めていく計画である。(日刊工業新聞、化学工業日報11年11月30日)

4.民生用FCの開発と事業展開
(1)英国のベンチャー企業
 英国・スコットランドに拠点を置くベンチャー企業は、2014年以降に民生用FCを英国とアイルランドで発売する。同企業はFC開発を手掛けるインテリジェント・エナジー、エネルギー大手SSE、およびスコットランド政府系機関の合弁で、家庭用1kW機、業務用10kW機を順次投入する。英国では電力・ガス価格が高騰しており、民生用の小規模コージェネレーションシステムにとっては追い風が吹いている。(電気新聞11年11月24日)

(2)日清紡ケミカル
 日清紡ケミカルは、FCセパレーターを始め高機能性樹脂素材、水処理用担体などの環境エネルギー分野を対象に事業領域を拡大する。FCセパレーターは昨年、千葉の新工場を稼働、今後の需要増に対応できる体制を整えた。当面は定置用途での採用拡大を目指していくが、15年以降の本格普及が予想されるFCVへの搭載に向けてセパレーターの性能向上および低コスト化を推進する。(化学工業日報11年12月16日)

5.SOFC技術開発と事業展開
(1)バルチラ
 フィンランドのバルチラ(ヘルシンキ)は出力50kW級SOFCの実用化に向けたテストを2012年初めにも開始する。スタックはデンマークのトプソー・フューエル・セルとカナダのバーサ・パワー・システムズから提供を受ける。これらをユニット化しバルチラのブランドとして商品化する。時期については未定。同社は08年から既に20kW級でゴミの埋め立て地から発生するバイオガス(メタンガス)を利用したFCと、船舶向けにメタノールを利用したFCのデモを行っており、NOXやSOXの排出量削減や騒音の軽減などで一定の成果が出始めているという。船舶向けについては実際のフェリーに乗せてテストを行っている。同社はもともと海洋産業向けにディーゼルエンジンを開発してきたが、今後効率的でクリーンなエネルギーとして注目され、ニーズが十分掘り起こせるFCの開発に着手した。又産業用SOFCを事業化するために、日立造船と共同で数年前から開発を推進している。(日刊工業新聞11年12月15日、化学工業日報12月16日)

(2)エネ庁、NEDO、三菱重工
 資源エネルギー庁は、来年度からNEDOプロジェクトで、500kW級のSOFCとガスタービン、蒸気タービンを組み合わせたトリプルコンバインド発電システムの開発に着手する。三菱重工が産業用として250kW級の中容量システムを開発中であり、来年度までに信頼性などを実証、13年度から業務用で実用化する。次いで250kW級で培った技術をベースに、三菱重工が500kW級のSOFCを開発、既存のガスタービン・蒸気タービンによるコンバインドシステムの上流に設置し、トリプルコンバインドシステムを構成する。発電効率は既存コンバインドシステムの45%から65%以上に向上、CO排出量は30%を見込む。5年間のプロジェクトとして来年度予算で15億円を要求している。又システム輸出案件の候補として、将来は1200kW級の大規模火力発電所の実現を目指しており、同技術を石炭ガス化FC複合発電(IGFC)に応用する。(化学工業日報11年12月16日)

6.エネファーム事業展開
(1)積水ハウス
 積水ハウスは"第42回東京モーターショー2011"に住宅メーカーとして初めて出展する。当社は今年8月に3電池(太陽電池、FC、蓄電池)を搭載した"グリーンファーストハイブリッド"を発売したが、モーターショーでは究極のエナジーフリーを実現し、停電時でもEVに充電できる先端のスマートハウスを提案する。更に地震動のエネルギーを熱に変換・吸収して建物の変形を抑える独自の制震システム"ジーカス"なども展示する。(日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ11年11月22日、産経、日刊建設工業新聞、フジサンケイビジネスアイ12月2日、東京、中日新聞12月3日、日刊建設産業新聞12月7日)
 積水ハウスは、グリーンファーストハイブリッドを装備した一戸建て住宅を、分譲地では初めて宮城県富谷町に開発中の"コモンシテイ明石台"で今月中にも着工し、近く建売分譲を始める。(河北新報12月17日)

(2)大ガス
 大阪ガスが現在開発を進めているSOFC型エネファームについて、2012年前半までに商品化する旨、尾崎社長が明らかにした。発売5年後までに年間1万台規模の販売を目指す。購入者の負担は、政府の補助金を利用して約240万円と従来製品と同水準にする方針で、数年後には50〜60万円になるようにしたいとの考えを示した。(産経新聞11年12月2日、大阪日日新聞12月15日)
 尾崎社長は、エネファーム(276〜325万円)の年間販売台数を20年度に3〜5万台を目標とする方針を明らかにした。「東日本大震災後、停電対策や節電のため自家発電設備としての関心が高まっている」として今年度は3000台を達成できるとの見通しを示した。又「大ガスが年間販売する給湯器約10万台のうち1/3から半分位がエネファームにならなければ本格的な普及とは云えない。来年度製品化するSOFCを小型化して3年後を目途に集合住宅にも入れたい」と語った。(毎日新聞11年12月14日)
 大阪ガスは12月16日、コージェネレーションシステムの"エネファーム"と"エコウイル"について、停電時でも使える改良型を来年発売することを明らかにした。大ガスはエネファーム、エコウイルともに蓄電池を組み合わせるなどして、停電時にも運転を続け、起動ができるようにする。(朝日新聞11年12月17日)

(3)東ガス
 東京ガスは2013年度にもエネファームを集合住宅用に販売する。同社は20年までの中期ビジョンで、エネファームの稼働目標台数を30万戸に設定しているが、台数を増やすためには集合住宅に採用される必要があると判断、同機の小型軽量化を進める。エネファームにはPEFCに加えSOFCも市場投入されているが、岡本社長は「PEFCの方が開発が進んでおり、ハードルは高いがクリアできないわけではない」としており、PEFCで需要に対応する方針である。(日刊工業新聞11年12月7日)

7.FCV&EV最前線
(1)豊田自動織機
 豊田自動織機は11月25日、FCフォークリフトの実証実験を12年12月に開始すると発表した。経済産業省と北九州市が推進する"北九州スマートコミュニテイー創造事業"に、トヨタ自動車と豊田合成とともに参画実施する。トヨタと共同開発するフォークリフト用FCシステムを搭載したフォークリフト2台を豊田合成の北九州工場で運用、環境負荷低減効果と作業性、経済性を検証する。(日刊自動車、中日、西日本新聞11年11月26日、日刊工業新聞11月28日、日経産業新聞11月29日)

(2)ダイムラー
 ダイムラーは11月28日、FCVを2015年にも日本で発売すると述べた。独国内などでは約200台を使って試験している。(朝日新聞11年11月29日)

(3)メルセデス・ベンツ
 メルセデス・ベンツ日本法人は、東京モーターショーに出品するFCV"F125!"を公開した。動力源にはFCと共に次世代2次電池の高圧リチウム硫黄電池を採用し、4輪をモータで駆動する。燃料の水素は車体一体型の水素吸蔵合金に貯蔵する。「高級車の定義を塗り替える」という意欲的なFCVで、連続出力は170kW(最大300kW)、床下の水素吸蔵合金には7.5kgの水素を貯蔵できる。航続距離は1000kmで、電池走行だけで50km、時速100km/hには4.9秒で達するという。FCは出力130kW、水素0.8kgで100kmの走行が可能である。リチウム硫黄電池は出力70kW(最大100kW)で、「エネルギー密度をリチウムイオン電池の2倍にできる」(バーラト・バラスプラマニアン副社長)。2015年から20年にかけて発売の予定。(読売、朝日、日本経済、産経、日経産業、日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ、化学工業日報11年11月29日、日刊自動車新聞11月30日)

(4)トヨタ
 トヨタ自動車は11月29日、家庭用電源で充電が可能なプリウスPHVの受注を始めた。フル充電時のガソリン1L当たりの燃費は61kmで、プリウスHVのほぼ2倍。バッテリーが切れてもガソリン走行が可能な安心感を訴え、EVに対抗する。来年1月30日に発売するPHVは1回のフル充電でガソリンを使わずに最長26.4km走行できる。又PHVの発売に備え充電インフラの整備にも着手した。グループのトヨタホームなどを通じて家庭用充電設備の取り付けサービスを始める他、全国に約5000ある系列販売店などで充電設備の設置を進める。来年1月の販売時には1500〜2000の販売店への設置を計画し、購入客には無料で開放する。なおパナソニックが11月29日、トヨタ自動車のプリウスPHVに基幹部品の大容量LiBを供給すると発表した。(日本経済新聞11年11月30日)
 トヨタ自動車とダイハツがFCVの実用化へ向けコンセプトモデルを開発した。トヨタはランドクルーザー型の大型FCVを試作していたが、このサイズでは一般に普及しにくいとして4人乗りのセダン型"FCV−R"を試作した。同社はカーボンファイバーの巻き方を工夫してタンクの肉厚を薄化して小型化し、搭載タンクも従来の4本から2本に半減することでFCVのセダンを可能にした。水素搭載量は従来の6kgから減少したが、燃費改善で航続距離は約700kmを維持している。又FCも前方から運転席下に設置場所を変えて省スペース化した。2015年に市販の予定。(化学工業日報11年12月5日)

(5)ダイハツ
 ダイハツは軽自動車に特化し、トヨタとすみ分ける。軽自動車には水素タンクを搭載する大きなスペースがないので、水加ヒドラジンを使うアニオン型FCを搭載する。水加ヒドラジンは常温常圧では液体で引火性も低い。これを床下の30Lタンクに納めた"FC商CASE"を試作、出力は35kWで航続距離は500〜600kmである。アニオン型は水素イオンではなくOH−が電極間を移動し、電極は強酸に耐える必要がないため高価な白金触媒ではなくニッケルや鉄など安価な遷移金属が使えるので、電極のコストは1/1000に収まると云う。課題は電解質膜の耐久性で、現状の炭化水素膜では1000時間と目標の1/5程度に留まる。産総研やトクヤマなどとアニオン用電解質膜の開発に取り組んでいる。2015年での製品化を目指す。(化学工業日報11年12月5日)

(6)独BMWとGM
 独BMWと米GMがFC分野で近く提携する。BMWは今月、トヨタと次世代型リチウムイオン電池の共同開発に取り組むと発表するなど、環境分野での提携を加速させている。報道によると、BMWはGMからFCの技術供与を受ける一方で、その研究開発費を一部負担する。将来的には、部品共通化も視野に入れているという。GMはコメントを避けたが、BMWは交渉が進んでいることを認めた。(毎日新聞11年12月12日、電気新聞、フジサンケイビジネスアイ、河北新報11年12月13日)

8.水素ステーション関連事業
 東京ガスと千葉大学は11月24日、FCV向け水素供給施設で分離・回収したCOを、トマトのハウス栽培に利用する研究を始めると発表した。都市ガスから水素を製造する際に発生するCOの処分方法が課題とされてきたが、その解決策の1つとして検討する。植物の光合成速度はCO濃度に応じて高まるので、これによりトマトの年間収量を増加させることができる。東ガスは10年12月に東京都大田区で"羽田水素ステーション"を開設したが、そこで都市ガスから水素を造る過程で出るCOを分離し約10kg/hの割合で回収・液化している。これを160kg入りボンベに詰めて千葉大学の植物工場へ運ぶ。当面は敷地面積1000m2のトマト栽培施設に2本/月のボンベを供給、それを植物工場に併設した受け入れ施設で気化し、大気中では400ppmのCO濃度を1000ppm、まで高める。通常約40kg/m2の年間収量が約50kg/m2まで増加すると期待され、又甘みが強く品質の良いトマトが収穫できる見込みである。(日本経済、電気、日刊工業新聞、フジサンケイビジネスアイ、化学工業日報11年11月25日、建設通信新聞11月29日、毎日新聞11月30日、読売、日刊建設工業新聞12月5日、朝日新聞12月17日)

9.水素生成精製技術の開発
 東北大学多元物質科学研究所の張助教と斎藤教授の研究グループは、下水汚泥を加熱処理して高純度水素を90%以上の高収率で得る技術を開発した。汚泥を粉砕・乾燥する前処理が不要で、処理コストを大幅に低減できるメリットがある。研究グループは2007年、木質バイオマス(セルロース)を粉砕・加熱し、純度98%の水素を97%の収率で製造することに成功していた。新技術はその手法を基礎に開発した。ガス発生促進剤の役割を果たす無機粉体を、含水率約80%の下水汚泥に混合し、約600℃で加熱すれば水素を90%以上の収率で得られる。下水汚泥は粒子が細かいため、無機粉体と容易に混合できる。(化学工業日報11年11月29日、日経産業新聞12月14日)

10.FCおよび水素関連計測観測技術の開発
(1)日揮商事
 日揮グループの機械商社"日揮商事"(横浜市)は、耐圧水素防爆型の赤外線監視システムの取り扱いを開始した。高い防爆性能を持つハウジングを採用しており、爆発性雰囲気での継続的な自動設備監視が可能。同社が発売する赤外線サーモカメラシステム"WI-XXX"はオリエントブレイン(大阪府)製の耐圧水素防爆型赤外線カメラ"XIR-1000A"を使用、Avio赤外線テクノロジー(東京都)がシステムアップを担当した。ハウジングには耐食アルミニウム合金の鋳物を使用している。(化学工業日報11年11月24日)

(2)チノ―
 チノ―はSOFCの大型セルに対応した評価試験装置を開発した。SOFCは普及に向けたセルの大型化が進んでおり、燃料ガスの流れや発電特性を分析する必要性が高まっている。今後実用レベルの50〜100mmサイズへとセルの大型化が進むが、この大型セルの評価試験に対応するため、高温に耐えかつ金属汚染を防ぐためにネジやバネを含めて、全セラミックス(A1203)製ホルダーを専用に開発し、ガスクロマトグラフィーなどの計測器を組み込んでいる。(化学工業日報11年11月29日)

 ――This edition is made up as of December 17, 2011――