第168号 20年に先進環境対応車の販売台数80%
Arranged by T. HOMMA
1.国家的施策
2.地方自治体による施策
3.海外での国家的施策
4.SOFC関連技術開発
5.PEFC要素技術開発
6.エネファームの事業展開
7.FCV最前線
8.水素ステーション関連技術開発と事業展開
9.水素生成・精製技術の開発
・A POSTER COLUMN
1.国家的施策
(1)経産省
 経済産業省は3月24日に開いた総合エネルギー調査会に、エネルギー政策の指針となる2030年までの"エネルギー基本計画"の骨子案を提示した。エネルギー自給率となる"自主エネルギー比率"を新指標として設定、現状の38%から約70%に引き上げる目標を掲げた。又エネルギー需給構造の具体的な対策として、ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)について新たな省エネルギー基準を策定し、20年までに新築公共建設物での実現、30年までに"新築建築物の平均でZEBを実現"など、建設産業に関係する対策も複数明記した。具体的内容は、原子力発電の推進や、再生可能エネルギーによる発電の拡大、30年までに石炭火力にCCS導入、LED照明と有機EL照明を30年までに100%実現、交通システムや都市づくり、などであり、特に家庭部門では、20年までにZEHを標準的な新築住宅にするとともに、家庭用FCを20年までに140万台普及させることを提案している。(建設通信新聞10年3月26日)
 経済産業省は、4月12日に策定した"次世代自動車戦略2010"で、先進環境対応車(環境性能に優れた内燃機関車とHV、EV、FCV、クリーンデイーゼル車など次世代自動車)の普及目標として、2020年に最大で新車販売台数の80%とすることを定めた。ハイブリッド車(HV)やEVなどの次世代自動車の普及は、20年に20〜50%、30年に50〜70%を目指す。(朝日、毎日、日経産業新聞、化学工業日報10年4月13日)

(2)環境省
 環境省は09年末、関連事業者や学識者などで構成する"環境対応車普及方策検討会"を設置、今後の市場動向や技術開発などを踏まえた普及目標や普及拡大に向けた取り組み方針について検討してきたが、3月30日に環境対応車普及戦略を纏めた。それによると、EVやHVなど次世代自動車の普及目標としては、2020年の販売台数で約250万台、シェアで51%としており、50年ではFCVも含めて約387万台、シェア90%を提示している。又普及に向けて燃費基準設定や税制優遇などの他、EVの低価格化を目指した電池の量産化やリース化、カーシェアリングやタクシー利用など市場拡大につながる取り組み、および走行性能の向上や充電時間の短縮化、充電網の拡充を示した。(電気、日刊自動車新聞10年3月31日)

(3)国交省
 国土交通省は、EVを始めとするHV、FCVなどの次世代自動車で、日本の競争力を高めるため、新たな産官連携機関の創設を検討する。自動車メーカーや部品メーカーの業界団体トップ、大臣級によるハイレベルグループにより、日本発の先進技術の基準化と国際標準化、車両形式の相互認証に関するロードマップなどを作成する。同省では、自動車業界のグル―バル化が進展し、中国やインドなど成長市場での競争が激化する一方、CO排出削減などの地球温暖化対策、交通事故防止策の重要性は、成熟市場も含め世界的な課題になるとしている。このため同省でも、日本発の革新技術による自動車基準を国際化することで、日本における関係産業の競争力向上を図ることにした。(日刊自動車新聞10年4月20日)

2.地方自治体による施策
(1)福岡市
 福岡市と博多港開発は、アイランドシテイ(IC)の市5工区"まちづくり事業"提案公募で、積水ハウス・九州住宅建設協会JVを事業予定者に決めた。市5工区では、COゼロ街区を設定し、国内トップレベルの"低炭素型まちづくり"を目指しており、その先導的モデルとして、5工区東側エリアに最新技術を導入した戸建て住宅の事業提案を求めた。積水ハウスJVは、画地A(34,900m2)に103戸、価地B(24,400m2)に75戸の計178戸の整備を提案している。提案では「家庭用FCと太陽光発電のダブル発電モデル」と「オール電化モデル」の2つのタイプによりCOゼロを実現する。又COバランスモニターの設置やスマートメーターの導入による"排出量の見える化"に取り組む他、プラグイン充電システムを各戸に配備しエコカーに対応する。街区は、区画全体での風環境シミュレーションやクールスポットの創設、緑のネットワークやコモンスペースなどを設け、快適な空間構成を目指すとしている。事業年度は15年までで、12年度の"まちびらき"を予定している。(建設通信、日刊建設新聞10年3月26日)

(2)大阪市
 大阪市は成長産業分野の支援体制を強化するため、4月1日付けで組織改正を行う。成長産業の具体的な定義はないが、太陽光発電やFCなどの新エネルギー、バイオ産業などを想定している。(日刊工業新聞10年3月31日)

3.海外での国家的施策
 アメリカ運輸省と環境保護局(EPA)は4月1日、自動車や小型トラックの排ガスに含まれるCOなど温室効果ガスを削減するための規制を最終決定し発表した。EV,PHV、FCVの初期生産分についてはCO非出量を0とみなして優遇する。この規制は2012〜16年の新車に適用される。メーカーは16年型の新車では平均燃費をガソリンで15.1km/L以上にすることが義務付けられる。(朝日新聞10年4月3日)

4.SOFC関連技術開発
(1)京大
 京都大学大学院エネルギー科学研究科の日比野准教授らの研究グループは、1室式SOFCを開発、安定して動作することを確認した。2室式に比べて燃料利用効率は低いが、ガス室を分離する必要がないため、シンプルな構造設計が可能であり、起動性が高く水素もれなどの心配がないため、安全性が高い。1室式SOFCは、電解質の両面に選択性の異なるアノードとカソード触媒を用いて燃料と空気の混合気体から発電する方式であり、燃料と空気を分離する必要がない。熱や衝撃に強く、部分酸化が発熱反応のため自発的にセル温度が上昇し、緩和な還元雰囲気で反応が進むことも特徴である。電解質には低温でも高い導電性を持つバリウムランタンインジウム酸化物が、カソード側にはランタンストロンチウムマンガン酸鉄、アノード側にはニッケルを混合させた酸化セシウムサマリウム、そして保護層に酸化セシウムサマリウムが使われた。メタンと空気の流量比率2対5の時最高性能が得られ、電圧は877mV、最大出力密度は64.8mW/cm2であった。同グループは、1室式は発電効率も向上が期待できることから、更に材料開発を進めて実用化を目指すとしている。(化学工業日報10年3月31日)

(2)ガス協会
 日本ガス協会の市野会長は4月19日の会見で、10年代前半に商品化を予定している次世代家庭用SOFCについて「電力会社に対抗するため石油業界と協力することになるだろう」と述べ、販売面で連携する方針を明らかにした。(日経産業新聞10年4月20日)

(3)東邦ガス
 東邦ガスの佐伯社長は、業務用に使える出力5kW級SOFCの実証機を本年度中に製作、実用化を急ぐ考えを明らかにした。昨年度に開発した3kW級の発電実験では59%という高い発電効率を実現、これが実用化されれば電力用途のみでの利用も考えられる。東邦ガスは09年にNTTと住友精密工業との共同で、出力3kWの発電ユニットを開発、小規模店舗や事務所での使用を想定した5kW級の実用化を目指している。(中日新聞10年4月21日)

5.PEFC要素技術開発
(1)日本金型工業会
 日本金型工業会西部支部(大阪市)の会員40社が、プレス成形したステンレス製セパレーターとMEAを組み合わせてPEFCを試作し、大阪府立産業技術総合研究所で実験したところ、2.5Vの電圧を得た。低コストで量産が可能な技術として協業先を募る考えである。同支部は「金型の新たな需要を開拓したい」としている。(日刊工業新聞10年3月31日)

(2)東芝FCシステム
 東芝FCシステムは今後2〜3年をめどに、部品点数の低減によって一層の2〜3割の小型・軽量化を追求するほか、新たな触媒利用技術や膜技術なども導入して、家庭用FCのコストを半減する。現在のFCは高価なため、普及を促すには低コスト化が不可欠である。低コスト化により、生産台数を現在年間2,000台から1万台超えに拡大する。(化学工業日報10年4月21日)

6.エネファームの事業展開
(1)日本海ガス
 日本海ガス(富山市)は4月1日から本格的に発売を開始する家庭用FCを取り付ける契約者に対して、一般契約に対してガス料金が割安となる"エコライフ料金"を適用することにする。これは従来ガスエンジンによる発電・給湯システム"エコウイル"に適用してきた料金体系である。同ガスは05年から県内8世帯に家庭用FCシステムを設置し、実験した結果、ガス需要の増加も見込めることから本格販売に乗り出すことを決めた。同社では独自に稼働4万時間の保証も付ける。(北日本新聞10年3月30日、富山新聞3月31日)

(2)東ガス
 東京ガスは2010年度にエネファームを値下げするなど、販売をてこ入れする。現在エネファームには国が補助金140万円を助成しているが、10年度はそれが130万円になり10万円減額される見通しである。これに対して同ガスは工事費の引き下げなどで顧客が購入にかかる費用を10万円下げ、実質的に値下げする。又住宅業界との連携を強化、販売台数の目標も09年度の2,100台を上回る2,500台以上に設定することを検討中である。更に11年度には現行機種よりも価格を下げて小型化した新機種の開発を進める。(日刊工業新聞10年3月30日、日経産業新聞4月1日)
 4月1日付で東京ガスの社長に就任する岡本副社長は、家庭用FCの開発・生産で大阪ガスなど都市ガス間の連携を強化する考えを明らかにした。部品の共通化などで都市ガス会社の他パナソニックなどメーカーとも協力して低価格化を急ぎ、電力会社のオール電化攻勢に対抗する。(日本経済新聞10年4月1日)
 東京ガスは、4月5日に"スマートエネルギーネットワーク推進室"を発足する。FCやコージェネ、再生可能エネルギーを組み合わせてエネルギー利用の高度化を図るネットワークの企画・立案、実証事業の推進を担う。(日刊工業新聞10年4月5日、化学工業日報4月6日、電気、電波新聞4月7日)

(3)西部ガス
 西部ガスは、09年から販売を始めたエネファームについて、10年度の販売目標を09年度の倍になる200台に設定、新築に限らず既存住宅への販売も始める。(西日本新聞10年3月31日、西日本新聞4月7日)

(4)東邦ガス
 東邦ガスは3月31日に10年度の事業計画を発表したが、販売計画では、エネファームの販売目標を500台に倍増、省エネルギー型給湯器"エコジョーズ"は25%増しの3万台とすることも盛り込んだ。(電気、中国新聞10年4月1日)

(5)北海道ガス
 エネファームの寒冷地仕様機や、次世代エコウイルについて11年度の市場導入を目指し、仕様の決定やフィールド試験を実施する。(電気、日刊工業新聞10年4月8日)

(6)静岡ガス
 静岡ガスは、エコエネルギー施備を併設した低炭素型分譲地を三島市に建設する。約5,900m2の敷地に22戸建設用で、FCと太陽電池に加え、一部(2戸)には車載用リチウムイオン電池(アメリカ・エナデル製)を併設してエネルギーの地産地消を目指す。(電気、静岡新聞10年4月8日、日刊工業新聞4月9日、日本経済新聞4月10日)

(7)広島ガス
 広島ガスは4月8日、10年度の事業計画を発表した。新規事業では、家庭向け太陽光パネルとエネファームとのダブル発電も売り込み、電力会社のオール電化に対応する。エネファームは100台の販売を目指す。(電気、中国新聞10年4月9日)

(8)小松ガス
 小松ガス(小松市)は4月19日、エネファームの販売を始めた。初年度は3〜4台の販売を目指す。(北国新聞10年4月20日)

7.FCV最前線
 中国自動車最王手の上海汽車集団は、独自ブランド車や環境対応車の開発など8プロジェクトに最大160億元(2,200億円)を投資する計画を明らかにした。技術センターの設備投資には13億元弱、環境対応車の開発に最大20億元、EV向けの電池開発には最大10億元を投入する。上海国際博覧会場の交通インフラにFCVやハイブリッド車など計1,000台を提供する。(日経産業新聞10年4月9日)

8.水素ステーション関連技術開発と事業展開
(1)佐賀県、日本エア・リキッド等
 佐賀県、同県地域産業支援センター、日本エア・リキード、三菱化学エンジニアリング、鳥栖環境開発総合センターなどは、間伐材など未利用の木質チップから水素を製造・貯蔵し、中小都市や農山村地域においてFCVに水素を供給する簡易型水素ステーションを柱とする水素システムの共同開発を実施する。12月にも新システムを開発し、FCVの走行実験にも取り組む予定である。鳥栖環境開発総合センターで稼働している木質バイオマスのプラントを利用、粉体にした木材に800〜1000℃の水蒸気を当て、CO、メタン、COなどのガスを発生させ、これらのガスから高純度の水素を精製する。500〜700kgの木質チップをガス化し、8時間で45,000〜50,000Lの水素を製造する計画である。又FCVには170Lのタンクに350気圧の水素ガスを充填できるようにする。(日経産業新聞10年4月6日)

(2)昭和シェル、岩谷産業
 昭和シェル石油と岩谷産業は、JHFC有明水素ステーションの移転準備を完了、江東区有明1−5−8で運営を開始した。液化水素貯蔵による35MPaの水素ガス充填を行うとともに、EV普及環境整備実証事業の一環として急速充電器(30kW)を設置し、充電サービスを提供する。(日経産業、日刊工業新聞、化学工業日報10年4月13日)

9.水素生成・精製技術の開発
 東京工業大学の八島准教授と東京大学の堂免教授、前田助教らは、可視光のエネルギーで水を分解して水素と酸素を発生させる触媒の電子構造を解明した。この触媒は、青色発光ダイオード(LED)の基板材料として知られる窒化ガリウムの中、ガリウムの1部を亜鉛に、窒素の1部を酸素に置き換えた物質。亜鉛と酸素が入ると、電子構造がより波長の長い可視光を吸収する形に変化することが分かった。触媒が可視光を吸収すると電子と電子の穴(ホール)ができて表面に移動し、触媒と接する水を水素と酸素に分解する。今後、亜鉛と酸素の配合量を変えて、電子構造の変化を調べ、効率良く水素と酸素を作れる触媒の開発を進め、水素ガスを水だけで製造する触媒プロセスの実現を目指す。(日経産業新聞10年4月9日)

 ――This edition is made up as of April 23, 2010――

・A POSTER COLUMN

再生可能エネルギー全量買い取り制度を11月末にも開始
 経済産業省は、再生可能エネルギーの全量買い取り制度について、早ければ11月末〜12年当初にも開始できるとの見通しを明らかにした。同制度の選択肢案を3月発表、4〜5月に選択肢案に対する意見を幅広く募る。
 資源エネルギー庁幹部が3月31日の一般説明会の中で、制度開始に向けた道筋や選択肢案の詳細を解説した。太陽光発電の全量買い取り価格については35円/kWhと42円/同を示しているが、余剰買い取り価格と同じ42円にはしない方向性を示唆した。太陽光発電とFCを家庭に併設する"ダブル発電"については、全量買い取りに移行する場合、買い取り価格を特別に設定しない方針を説明「FCの電気を買い取るかどうかという別の議論になる」との見方を示した。
(電気新聞10年4月2日)

LiBの安全性を向上させるイオンゲル電解質の開発
 名古屋大学大学院生命農学研究科の松見准教授は3月31日、リチウムイオン電池(LiB)の安全性を飛躍的に高める有機・無機ハイブリッド型イオンゲル電解質を開発したと発表した。これはイオン液体やホウ素化合物などの難燃性成分と多糖類からなるハイブリッド型電解質である。
 今回の研究では、ある種のイオン液体に良好な溶解性を示し、ボロン酸誘導体と反応してポレート構造を与えるセルロースを支持高分子材料としてイオンゲルを作成した。常温で高いイオン伝導特性が得られ、系によってはイオン液体自体の値をも上回った。難燃性のイオン液体との複合材料のため、優れた耐熱特性が期待される。
 LiB向けとして400℃までの熱安定性確保やイオン伝導性、イオン輸送選択性の向上を目指した研究を行い、企業との共同研究開発を提案する。又LiBの他、FC、調光や表示に利用するエレクトロミック素子など、電子材料分野での広範な適用を目指す。
(化学工業日報10年4月1日、中日新聞4月2日)

新日石などがLPG事業の統合を検討
 JXホールデイングス傘下の新日本石油と、三井物産、丸紅は4月5日、LPG事業を2010年度中に統合する方向で検討を始めると発表した。これによりLPG販売の国内シェアは計約25%に達し、業界首位になる見通しである。具体的には、新日石のLPG事業を分割、三井物産と丸紅が共同出資するLPG専業大手の三井丸紅液化ガスと統合して新会社を発足させる。
 都市ガスの供給範囲の拡大やオール電化住宅の普及でLPGの需要は落ち込んでおり、統合による合理化や、FCなど新エネルギー事業の強化で収益力を高める。
(読売、朝日、毎日、日本経済、産経、電気、日経産業、日刊工業、東京、西日本、北海道新聞、フジサンケイビジネスアイ、河北新報10年4月6日)

次世代送電網の大規模実証試験を全国5,000世帯で試行
 次世代送電網(スマートグリッド)の大規模な実証実験が、全国4か所で10年度から始まる。合計5,000世帯の一般家庭を送電網で結び、留守中の深夜帯の節電、太陽光を含む再生可能エネルギーの活用などを推進する。今後5年間の総事業費は約1,000億円で、地方自治体とトヨタ自動車、新日本製鉄などの有力企業が協力する。
 日本が次世代送電網の本格的な実証実験に乗り出すのは初めてで、経済産業省が4月8日に、公募に応じた全国20カ所のうち、横浜市、愛知県豊田市、北九州市、関西文化学術研究都市の4か所を選ぶ。
 横浜、豊田、北九州の3市はそれぞれが、コンサルテイング大手アクセンチュア、トヨタ、新日鉄と一緒にコーデイネーターを務める。各地方自治体は6月下旬までに素案を作り、今年度中に実験を始める。期間は5年間で経産省も10年度予算に計上した40億円で支援する。
 最も規模が大きいのは横浜市で、総事業費は562億円。港北ニュータウン、みなとみらい、金沢地区の住宅約4,000世帯を選び、通信機能を備えた次世代電力計(スマートメーター)を取り付けて、エネルギーの需給を調整し、留守中や夜間帯の電力を節約できるようにする。
 住宅の太陽光パネルや太陽光発電所で2万7,000kWの電力を作り出し、送電網で供給、又合計2,000台のEVを導入し、家庭の太陽光発電を活用して動かすことができるようにする。横浜市は次世代送電網の関連事業で、CO排出量を25年までに04年比で30%削減したい考えである。
 豊田市では家庭の充電器やコンビニの充電設備を普及させ、3,100台の次世代自動車を利用できるようにする。交通分野でCOの排出量を30年までに05年比40%減らしたいという。
(日本経済新聞10年4月8日)

"けいはんな"で関電、大ガスが次世代送電網の実験に参加
 けいはんな学研都市(関西文化学術研究都市)で、学研都市推進機構を中心に、京都府や地元3市町、京大などの研究グループ、関西電力や大阪ガスなどの民間企業が参加し、"スマートグリッド"の実証実験を行うことが4月7日に明らかとなった。経済産業省が横浜市、愛知県豊田市など全国4か所で進める"スマートコミュニテイ"の一環で、総事業費は約1,000億円、学研都市分の事業費は約45億円になる見通しである。
 実証では京田辺市、木津川市、精華町で太陽光発電システムを約千か所に整備する他、EV350台や電気バスを導入、対象地域内にEV用充電器約750基を整備する。又家庭にはFC、スマートメーターや蓄電池などを設置して、家庭やオフィスなどの電力供給状況を把握した上で、需要予測と電圧の最適制御を自動的に行えるようにする。
 電力とガス業界はこれまで競争してきたが、両業界が手を組めば「熱と電気を融通しあえる」又「大規模な温室効果ガスの削減につながる」と判断し、同じ試験に参加する。
(産経新聞10年4月8日、京都新聞4月22日)